レーザー加工機の設定・パラメータの決め方|実際に使っている設定値を公開【早見表つき】

結論:設定は「調べる → 試す → 追い込む」の3ステップ
レーザー加工機を使い始めると、必ずここでつまずくと思います。
「出力とか速度とか…数字がいっぱいあるけど、何をどう設定すればいいの?」
わたしも最初はまったく分かりませんでした。でも今は、どんな素材が来ても同じ手順で設定を決めています。先に結論です。
- ①調べる — ネットで同じ素材・同じ機種の設定例を探して「出発点」にする(ソフトのおすすめ設定を使うことも)
- ②試す — その設定で、本番前に小さな端材でテスト加工する
- ③追い込む — 結果を見て、出力や速度を前後にずらしながら何度もやり、一番きれいに加工できる設定を見つける
ネットの設定値は「正解」ではなく「出発点」。自分の機械と素材で追い込んだ数字だけが、本当に使える設定です。
この記事では、この3ステップのやり方と、わたしが実際に使っている設定値(xTool S1・40W)を画面つきで公開します。
そもそもパラメータって何?(出力・速度・加工回数)
まず言葉の整理から。レーザー加工の設定でいじる数字は、主にこの3つです。
| 項目 | 意味 | イメージ |
|---|---|---|
| 出力(%) | レーザーの強さ | 火力。強いほど深く焼ける |
| 速度(mm/s) | レーザーが動く速さ | 速いほど1か所に当たる時間が短い |
| 加工回数(パス) | 同じ線を何回なぞるか | 1回で切れなければ回数を重ねる |
この組み合わせのことを「パラメータ」と呼びます。
- 切断 … 素材を貫通させたい → 出力強め・速度遅め・回数多め
- 彫刻 … 表面だけ焼きたい → 出力弱め・速度速め・回数1回
切断と彫刻の違いそのものは、xTool S1で使える素材と使い方の記事で詳しく説明しています。
わたしの実際の設定値【早見表】
ここからが本題です。わたしがxTool S1(40W)で、いつも使っている設定値を公開します。
| 加工 | 素材 | 出力 | 速度 | 加工回数 |
|---|---|---|---|---|
| 切断 | MDF 4mm | 100% | 35mm/s | 5回 |
| 彫刻 | 木材 | 20% | 80mm/s | 1回 |
実際のソフト(xTool Studio)の画面がこちらです。


数字を見比べると、切断と彫刻で出力は5倍、速度は半分以下。「同じ機械なのにこんなに違うんだ」というのが伝わると思います。
この数字は「わたしの機体と、わたしがいつも使うMDF」で追い込んだ値です。同じS1でも、素材のメーカーや厚み、機体の個体差で最適値は変わります。そのままコピーせず、必ず出発点として使ってください(理由は後述)。
なぜ切断を「速度35×5回」にしているのか
早見表を見て、こう思った方がいるかもしれません。
「5回もなぞるの? 1回でゆっくり切ればいいんじゃない?」
実はここが、何度も試して行き着いたポイントです。
ゆっくり1〜2回で切ろうとすると、レーザーが1か所に当たる時間が長くなり、切り口が焦げやすくなります。逆に、速度を上げて回数を重ねると、1回あたりのダメージが減って、切断面がきれいに仕上がるんです。
調整の考え方はシンプルで、この2つだけ覚えておけば大丈夫です。
- 焦げた・切り口が黒い → 速度を上げる(または出力を下げる)
- 切れ残った・貫通しない → 加工回数を増やす
この「焦げ」との戦いについては、焦げ・ヤニ汚れを防ぐ方法の記事にも詳しく書いています。
ソフトのおすすめ設定(プリセット)も使える
「全部自分で追い込むのは大変そう…」という方に、朗報もあります。
xToolのソフト(xTool Studio)には、素材を選ぶとおすすめの設定値が自動で入るプリセット機能があります。わたしも、プリセットで済むときはそのまま使っています。

実際、P2S(CO2レーザー)で3mmの透明アクリルを切ったときは、プリセットを選んだだけで一発でした。設定の試行錯誤ゼロです。
わたしの使い分けは、こうです。
- プリセットにある素材 → まずプリセットのまま試す。それで十分ならおしまい
- プリセットにない素材・仕上がりに納得できないとき → ネットで設定例を調べて、そこから追い込む
同じ機種・同じ設定でも、切れないことがある
最後に、いちばん大事な注意点です。
ネットで「S1でMDF 4mmはこの設定」という記事を見つけて、そのまま入れても——うまく切れないことは普通にあります。わたしの「出力100・速度35・5回」も同じです。理由は主に3つ。
- 素材の個体差 — 同じ「MDF 4mm」でも、メーカーや接着剤の違いで焼け方が変わる
- 機体の個体差・状態 — レンズの汚れや使用時間で、同じ出力でも実際のパワーが変わる(メンテナンスの記事参照)
- 環境の違い — 湿気を吸った木材は切れにくい、など
だからこそ、本番の材料でいきなり加工しないこと。わたしは新しい素材のときは、必ず端っこや余り材で小さくテストしてから本番に入ります。
「テストの一手間」が、材料をムダにしない一番の近道です。高い材料を焦がしてから後悔するより、ずっと安上がりですから。
まとめ:数字は借りて、答えは自分の機械で出す
| ステップ | やること |
|---|---|
| ①調べる | ネットの設定例 or ソフトのプリセットを出発点にする |
| ②試す | 本番前に端材でテスト加工 |
| ③追い込む | 焦げ→速度up/切れ残り→回数up で前後にずらして最適値を見つける |
レーザー加工の設定・パラメータは、最初は数字だらけで難しく見えます。でも「出力・速度・回数」の意味さえ分かれば、あとは調べて、試して、追い込むだけ。この繰り返しで、自分だけの早見表が少しずつ育っていきます。
わたしの機材まわりの話は、こちらにまとめています。
- xTool S1を1年以上使ったレビュー — この記事の設定値を使っているメイン機
- xTool P2Sレビュー — プリセット一発で透明アクリルが切れた話
- xToolはどれを選ぶ?機種比較 — 機種ごとの違い
- レーザー加工に向いている木材 — 素材選びの実体験
設定で悩んでいる方の「出発点」になればうれしいです。
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