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素材と加工13

レーザーカッターのMDF設定|プリセットに無い4mm厚を実際に切れた数値で公開【xTool P2S】

レーザーカッターのMDF設定|プリセットに無い4mm厚を実際に切れた数値で公開【xTool P2S】

結論:4mmのMDFは「電力90%・速度7mm/s・1回」で一発で切れた

レーザーカッターでMDFを切ろうとして、こう困ったことはありませんか。

「持っている板の厚みが、ソフトのプリセットに無いんだけど…」

わたしもそうでした。使っているxTool P2S(55W CO2レーザー)のソフトには、MDFの設定が3mmと6mmしか用意されていません。でも手元にあるのは4mm

そこで自分で設定を決めて切ってみたところ——

電力90%・速度7mm/s・1回で、4mmのMDFが一発で切れました。

この記事では、その数値をどう決めたのか(考え方)と、実際の結果を、画面の写真つきで全部公開します。焦げ・煙・彫刻の失敗も正直に書きます。

🔰
はじめてさん
プリセットに無い厚みって、どうやって決めるんですか? 適当にやって失敗しそうで怖いです…
🛠️
管理人
じつは、そんなに難しく考えなくて大丈夫だったよ。「前後の厚みの設定の、あいだを取る」だけ。順番に見ていこう。

なぜ4mmのMDFは「設定が無い」のか

xTool Studio には素材ごとのプリセット(おすすめ設定)が入っていて、選ぶだけで電力・速度が決まります。とても便利な機能です。

ただ、用意されているのはメーカーが売っている板のサイズが中心。MDFの場合は 3mm と 6mm の2つでした。

ホームセンターや通販で買った板だと、**4mm・5mmといった「あいだの厚み」**はよくあります。ここでプリセットが尽きるわけです。

💡

MDFは木の繊維を固めて作った板で、レーザーとの相性はとても良い素材です。安くてまっすぐで、練習にも本番にも使いやすい。だからこそ「厚みが合わない」で止まってしまうのはもったいないところです。

手がかりは、前後の厚みのプリセット

そこでまず、3mmと6mmのプリセットの数値を見に行きました。ここが出発点です。

3mm MDF のプリセット

3mm MDFボードのプリセット。切断は電力80%・速度10mm/s・1回

  • 切断:電力 80% / 速度 10mm/s / 1回

6mm MDF のプリセット

6mm MDFボードのプリセット。切断は電力100%・速度4mm/s・1回

  • 切断:電力 100% / 速度 4mm/s / 1回

並べると、法則が見えてきます。

  • 厚くなるほど → 電力は上げる(80% → 100%)
  • 厚くなるほど → 速度は落とす(10mm/s → 4mm/s)

厚い板ほど「強く・ゆっくり」。これがレーザーで木を切るときの基本の考え方です。

4mmは「3mmと6mmの真ん中」を取った

法則が分かれば、あとは間を取るだけです。4mmは3mmと6mmのあいだ(やや3mm寄り)なので、こう決めました。

電力 速度 回数
3mm(プリセット) 80% 10mm/s 1回
4mm(自分で設定) 90% 7mm/s 1回
6mm(プリセット) 100% 4mm/s 1回

電力は 80→100 の真ん中で 90%、速度は 10→4 の真ん中で 7mm/s。ただそれだけです。

ソフトでは「不明な材料」を選ぶ

ここが実際の手順です。プリセットに無い板なので、素材の選択では「不明な材料」を選びました

すると、xTool P2Sは板の厚みを自動で測ってくれます。今回の表示は——

4.47mm。「4mm」として買った板の実寸は、4.47mmでした。

そのうえで、電力と速度は「ユーザー定義」として、さきほどの90% / 7mm/sを自分で入力しました。

実際の切断設定。素材は「不明な材料」、厚みは自動計測の4.47mm、ユーザー定義で電源90・速度7

  • 素材:不明な材料(プリセットは使わない)
  • 厚み:4.47mm(機械が自動計測)
  • 切断:電力90% / 速度7mm/s / 1回(ユーザー定義)
💡

「不明な材料」は、投げやりな選択肢ではありません。プリセットに無い板を使うときの、これが正しい入口です。厚みを機械が測ってくれるので、焦点はきちんと合った状態で加工できます。あとは電力と速度だけを自分で決めればいい、というわけです。
ちなみに「4mm」と書かれた板が実測4.47mmだったように、木の板は表示と実寸が微妙に違います。自動計測してくれるのは地味にありがたいところです。

💡

迷ったら「近いほうの厚みに寄せる」のも手です。今回の板は3mm寄りなので、もう少し弱くしても切れたかもしれません(実際、次は電力85%も試してみるつもりです)。

加工中:しっかり見守る

設定ができたら加工スタート。木は燃える素材なので、動いている間はそばで見ています。

加工中のようす。レーザーがMDFを切っている

🔥

木材の切断は特に火が出やすい加工です。メーカーも「加工中はそばを離れない・しっかり換気する・消火器を用意しておく」ことを案内しています。とくに電力を上げて低速で切るときは、必ず見守ってください。

結果:一発で切れて、切断面もきれいだった

結果はこのとおりです。

切り抜いた4mmのMDF。切断面はきれいで、裏面にわずかに焦げ

  • 一発で切れました(2回目の加工は不要)
  • 切断面はきれい。ざらつきや切り残しはありません
  • 表面は思っていたよりずっと綺麗でした

正直に言うと、木を切ると「焦げだらけになるのでは」と身構えていたのですが、想像よりかなり良い仕上がりでした。

切断面を横から寄って撮ると、こうなっています。

切断面のアップ。まっすぐ切れているが、断面は黒く炭化している

**まっすぐで、ガタつきはありません。**ただし見てのとおり、今回の設定では断面が黒く炭化しました。どの程度黒くなるかは、設定(電力・速度)や板の材質によって変わります。いずれにせよ「きれい=白いまま」ではなく「きれい=まっすぐで均一」という意味だと思ってください。

焦げと煙の、正直な話

  • 焦げ裏面にわずかにありました。ただしこれは想像どおりで、気になるレベルではありません。表面はきれいです
  • 切断面:上の写真のとおり、まっすぐですが黒くなります
  • 煙・におい:今回の排気環境(ダクトを窓の外へ出した状態)では、室内にこもるにおいは気になりませんでした

誤解のないように書いておくと、煙そのものは出ます(加工中の写真にも写っています)。出た煙をダクトでそのまま外へ逃がしていたので、室内で気にならなかった、という話です。逆に言うと、屋外排気など、煙を適切に処理できる排気環境を用意してください

⚠️

においや煙の感じ方は、部屋の広さ・排気の作り方で大きく変わります。わたしの「気にならなかった」をそのまま当てにせず、ご自身の環境で必ず換気を確保してください。また、成分の分からない板(塗装済み・接着剤や素材が不明なもの)はレーザーにかけないこと。有害なガスが出ることがあります。加工中はそばを離れないのも変わらず大切です。

🔰
はじめてさん
焦げって、どうしても付くものなんですか?
🛠️
管理人
裏側は多少つくよ。でも今回くらいなら十分実用範囲。どうしても消したい人はマスキングという方法もあるから、そこは別記事で書いてるよ。

焦げをできるだけ抑えたい方は、レーザー彫刻の焦げ対策・マスキングの記事もあわせてどうぞ。

失敗:彫刻が薄すぎた(原因は「彫刻密度」)

うまくいった話ばかりでは不公平なので、失敗も書きます。

切断と一緒に「P2S」の文字を彫刻したのですが、仕上がりが思ったより薄かったのです。カバー写真の文字が、うっすら茶色いのが分かるでしょうか。

原因は設定を見て分かりました。

彫刻の設定。素材は「不明な材料」、厚み4.47mm、電力15%・速度400mm/s・彫刻密度100

  • 彫刻:電力 15% / 速度 400mm/s / 彫刻密度 100(切断と同じく「不明な材料」+ユーザー定義)

彫刻密度が100でした。以前アクリルを彫ったときは密度200で、くっきり出ていたので、ここが効いていそうです。

彫刻が薄いときに効きそうなのは「密度を上げる・電力を上げる・速度を落とす」の3方向です。

ただし——ここから先はまだ試していない仮説です。推奨値ではありません。次にこの順で検証してみるつもりです。

  • まず彫刻密度だけを 100 → 200 に上げる(アクリルで濃く出た値。これが本命だと思っています)
  • それでも薄ければ、電力を 15% → 30% に上げる
  • それでも薄ければ、速度を 400 → 200mm/s に落とす
💡

変えるのは一度に1項目だけにするのがコツです。密度も電力も速度も同時に変えてしまうと、うまくいっても失敗しても「何が効いたのか」が分からなくなります。遠回りに見えて、1つずつ動かすのが結局いちばん早いです。

検証したら、結果をこの記事に追記します。

まとめ:プリセットが無くても、間を取れば切れる

今回わかったことを整理します。

項目 結果
素材 4mm MDF(プリセット無し/実測4.47mm
ソフトの設定 素材は「不明な材料」を選択。厚みは自動計測
決め方 3mm(80%/10mm/s) と 6mm(100%/4mm/s) の中間を出発点に
切断設定 電力90% / 速度7mm/s / 1回(ユーザー定義)
切断結果 一発で切れた。断面はまっすぐ(ただし黒く炭化する)
焦げ 裏面にわずか(想像どおり・実用範囲)
煙・におい 煙は出る。ダクトを外に出していたので室内のにおいは気にならず
彫刻 15%/400mm/s/密度100 は薄すぎた(次は密度から1つずつ検証)

今回の板では、前後のプリセットを「試作の出発点」にしたことで、うまく切れました。

ただし、これが毎回そのまま通用するとは限りません。MDFは同じ厚みでも、板の密度・使われている接着剤・反りによって切れ方が変わります。だから出発点はあくまで出発点で、端材で1回確かめてから本番へというのが結論です。

そしてもうひとつ大事なこと。ここに書いた数値は「xTool P2S(55W CO2レーザー)で、今回の4mm MDFを切ったとき」の実測値です。機種・出力・素材が変われば、数値はそのまま使えません。

共通して使えるのは数値ではなく、「小さく試して、1項目ずつ詰めていく」という進め方のほうだと思っています。

#MDF#設定#xTool P2S

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