レーザー加工機のランニングコストは? xTool S1を1年半使った実費と、何年もつかの実感

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結論:思っていたより、ずっと安い
レーザー加工機を買おうか迷っている人から、こんな声をよく聞きます。
「本体は買えるけど、その後の維持費が心配で…」
わたしも同じことを考えていました。1年半ほど使ってみた今、正直な答えはこうです。
電気代は「上がった」と体感できるほどではなく、実際にお金がかかったのはレンズ代と精製水くらいでした。
具体的にはこの3つだけです。
- レンズ:約2,300円 × 年に1〜2個
- 精製水(CO2機のみ):1本200〜250円ほど。1ヶ月使って補充ゼロ
- 電気代:明細を見ても、上がった実感なし(※実測ではなく体感です)
この記事では、xTool S1(40W)を1年半使った実費を中心に、何年もちそうか、そして意外と聞かれる**「コンセントは大丈夫?」まで書いていきます。※P2S(CO2機)は使い始めたばかりなので、精製水など現時点で分かっている範囲**として書き分けています。
電気代:正直、上がった実感がない
いちばん心配されるのが電気代ですが、わたしは体感していません。
気持ち上がったかな、と思うことはあっても、気にするような金額ではないというのが正直なところです。ちなみにわたしの使い方は、稼働している日で1日2時間ほどです。
先にお断りしておくと、これは電力計で測った数字ではなく、あくまで請求額を見ての体感です。他の家電も同時に使っている家庭の明細なので、正確な切り分けはできていません。以下では、機械に表示されている消費電力の数字と合わせて見ていきます。
実際の消費電力
体感だけでは頼りないので、機械に書かれている数字を見てみます。S1の背面ラベルには、こう書かれています。

xTool S1(40W)は「275W」。CO2機のP2Sは公式仕様で「700W」です。
これがどのくらいかというと——
| 機器 | 消費電力の目安 |
|---|---|
| xTool S1 | 275W |
| xTool P2S(CO2) | 700W |
| ドライヤー | 約1,200W |
| 電子レンジ | 約1,000W以上 |
つまりドライヤーより小さいわけです。1日2時間つけても、ドライヤーを2時間使う電気代より安い計算になります。体感が無いのも納得でした。
加工中ずっと最大電力を使うわけではないので、実際の消費はこの数字より少なくなります。「電気代が心配で買えない」という理由であれば、そこは気にしなくて大丈夫だと思います。
コンセントは大丈夫? 他の家電と一緒に使える?
これはわたし自身、買う前に調べたことです。「家庭用コンセントで、他の機材と同じところから電源を取っていいのか」。
調べた結論は、よほどのことがなければ大丈夫でした。理由はこうです。
- 家庭用のコンセント(1つの回路)は、ふつう15A=1,500Wまで使えます
- P2S(700W)でもその半分弱。S1(275W)ならさらに余裕
- パソコン・照明・スマホの充電くらいなら、同時に使っても問題ありません
気をつけるのは「大きな家電と一緒のとき」です。ドライヤー(約1,200W)・電子レンジ・電気ケトル・エアコンなどと同じ回路で使うと、合計が1,500Wを超えてブレーカーが落ちたり、コードが熱を持つ危険があります。加工中は、これらとの同時使用を避けてください。
延長コードは、ほぼ必須。ただし選び方に注意
「置きたい場所」と「コンセントの場所」は、たいてい一致しません。わたしも延長コードを使っていますが、これは実質必須だと思います。
ただし、選び方にひとつ注意があります。
- 定格(許容電流・W数)を必ず確認する。安価な細いコードには「7A=700Wまで」の製品もあり、P2Sだとギリギリ〜超過してしまいます
- コードは巻いたまま使わない(束ねると熱がこもります)
- タコ足配線にしない。特に大きな家電との共有は避ける
- 古いコード・傷んだコードは使わない
パッケージや本体に「◯◯W まで」と必ず書いてあるので、そこを見て選んでください。
ここに書いたのは一般的な目安です。分電盤の回路の分かれ方は住宅によって違い、同じ部屋のコンセントでも別回路のことがあれば、離れた部屋と同じ回路のこともあります。不安な場合や、専用回路を引きたい場合は、電気工事店(電気工事士)に相談してください。発熱・焦げ・こげ臭さに気づいたら、すぐ使用をやめてください。
実際にかかった消耗品:レンズと精製水だけ
ここからが本題の実費です。1年半でお金を払ったのは、この2つだけでした。
① レンズ:約2,300円(年に1〜2個)
レンズは1年に1〜2個ほど買い替えています。1個あたり約2,300円。
正直に言うと、これはわたしがこまめに掃除をしていなかったせいもあると思います。
「切れ味が落ちてきたな」と感じたタイミングでレンズを掃除したり、新品に交換したりすると、切断能力が戻りました(体感なので断言はできませんが、かなり実感があります)。
② 精製水:1本250円ほど(CO2機のみ)
P2SのようなCO2レーザーは、レーザー管を冷やすために精製水を使います。薬局やAmazonで買える、あの精製水です。
わたしが買ったのは500mLのボトルを4本。薬局でもおなじみの、健栄製薬の日本薬局方 精製水のような一般的なものです(単価はうろ覚えですが、1本あたり200〜250円ほどの価格帯でした)。
P2Sを使い始めて1ヶ月ほど経ちますが、まだ補充はしていません。思っていたより減らない、という印象です。※長く使えば減り方も変わるはずなので、ここは分かった時点で追記します。
※ダイオードレーザーのS1には不要です。
見落としがちな出費:換気設備
消耗品ではありませんが、買ったあとに必要になった一番大きな出費がこれです。
窓に付ける換気扇を設置しました。これを付けただけで、においが劇的に改善しました。
わたしが使ったのはパナソニックの窓用換気扇(FY-20WF2)で、価格は8,630円(税抜)でした。取り付けは自分でやりましたが、難しくはありませんでした。
あわせて、換気扇を付けた窓を固定するために窓のストッパー(約1,800円)も買っています。合計しても1万円ちょっとです。
レーザー加工は煙とにおいが必ず出ます。本体の値段だけで予算を組むと、ここで「思ってたのと違う」となりがちです。1万円ほどは換気にみておくと安心。詳しい対策はレーザー彫刻の煙・におい対策の記事にまとめています。
故障の話:背面ファンが動かなくなった
1年半で唯一の「故障らしい故障」がこれです。
S1の背面ファンが動かなくなりました。——正直に言うと、掃除をしているときにわたしが配線を切ってしまった可能性が高いです。

困ったのは、このファンが消耗品として販売されていなかったこと。そこでメーカーに問い合わせたところ、すぐに対応してもらえました。
そして届いたファンは、自分で交換できました。そこまで難しい作業ではありません。

P2Sは、背面ファンが「外せる」
この経験があったので、P2Sを使って感動したことがあります。
P2Sは背面ファンを工具なしで取り外せます。これが本当に画期的で、清掃が圧倒的にラクになりました。
ファンは煙とヤニで必ず汚れる場所です。手前に引き出して掃除できるだけで、メンテナンスのハードルが全然違います。機種を選ぶときの地味だけど重要なポイントだと思います。
※取り外しや清掃の手順・可否は機種によって違います。作業前に必ず電源を切り、お使いの機種の公式マニュアルを確認してください。
メンテナンス:完璧を目指さず、続けられる形で
ここは正直な反省を込めて書きます。
公式のやり方(こちらが正解です)
xToolの公式サポートで案内されているレンズの清掃方法は、こうです。
- 必ず電源を切ってから作業する
- **消毒用アルコール(または無アルコールの洗浄液)を含ませた無塵紙(けば立たない紙)**で拭く
- 細かい部分は綿棒を使い、最後に乾いた面で残った液を吸わせる
- レンズは加工のたび、長時間使うときは1時間おきの清掃が推奨されている
レンズは精密な光学部品です。ティッシュやキッチンペーパーのような繊維の粗い紙は、表面のコーティングを傷つける可能性があります。機械に付属のメンテナンスキット、または無塵紙と綿棒を使ってください。なお変性アルコールはレンズを固定するゴムを傷めることがあるため、消毒用アルコールが推奨されています。
わたしの失敗談
お恥ずかしい話ですが、わたしはこれを守っていませんでした。濡らしたキッチンペーパーで、まとめて拭いていたのです。
レンズを年に1〜2個交換していたのは、この雑な扱いも原因だったと思っています。
2,300円のレンズを毎年買い替えるより、無塵紙と綿棒を用意するほうが確実に安上がりです。同じ失敗をしないよう、ここに書き残しておきます。
なお、ノズルや庫内の煤汚れについては、公式手順の範囲でこまめに拭き取るのがおすすめです。完璧を目指すより続けられる頻度でやるほうが、結果的に機械はもちます。
より詳しい手順はレーザー加工機のメンテナンスと安全対策の記事にまとめています。
何年もつ? 寿命と耐用年数の実感
「何年使えるのか」も、よく聞かれます。あくまで実感ですが、こう思っています。
- M1:1年ほど使ったところでS1を購入したため、現在は使っていません(壊れたわけではありません)
- S1:今も元気に動いています。1日2時間ほどの稼働です
- P2S:まだ使い始めたばかり
きちんと清掃していけば、5年以上はもつのではないか——というのが、1年半使った時点での個人的な見立てです。メーカーが年数を保証しているわけではなく、実際に5年使い切ったわけでもないので、あくまで一つの感触として受け取ってください(使用頻度でも大きく変わります)。
レーザー加工機は、消耗するのがレンズやファンなど「交換できる部品」です。本体そのものが寿命で使えなくなるというより、部品を替えながら使い続けるイメージ。だからこそ、日々の清掃が寿命を延ばします。
まとめ:維持費より、換気の予算を見ておこう
1年半使ってわかった、リアルな数字を整理します。
| 項目 | 実費 |
|---|---|
| 電気代 | 体感なし(S1=275W/P2S=700W。ドライヤーより小さい)※実測ではなく体感 |
| レンズ | 約2,300円 × 年1〜2個(※雑な清掃が一因。正しく拭けばもっと持つはず) |
| 精製水(CO2機のみ) | 1本200〜250円ほど。1ヶ月で補充なし(使い始めて1ヶ月時点) |
| 換気扇(初期費用) | 8,630円+窓ストッパー約1,800円 |
| 故障 | 背面ファン1回(自分で交換・部品はメーカー対応) |
| 寿命の見立て | 清掃していれば5年以上はもちそう(個人の感触・保証値ではありません) |
つまり、心配すべきは「毎月の維持費」ではなく、買うときに換気の予算を見ておくことでした。
ランニングコストを理由に迷っているなら、そこは背中を押せると思います。あとは「自分が作りたいものに合う機種かどうか」です。
「そもそも家庭用レーザーで何ができるの?」という全体像は、家庭用レーザー加工機でできること・できないことにまとめています。
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